ハッサンの水色号/1974年式アルファロメオ GT1600ジュニア/偏愛日記 その13(所員:高桑秀典)

2021.05.28

改めて、水色号こと1974年式アルファロメオ GT1600ジュニアを1998年に買った経緯をお伝えしましょう。

数あるアルファロメオの中でも、筆者が一番最初に好きになったのはジュニアZというモデルです。ジュニアZは、1969年から1975年まで生産されたスタイリッシュなロードカーです。1970~72年に1300cc版が1108台、1972~75年に1600cc版が402台デリバリーされました。わずか1510台しか生産されていないので、かなり稀少なアルファロメオだといえます。

直線基調のウエッジシェイプはカロッツェリア・ザガートが描いたもので、車名の最後に付けられた「Z」はザガートの略です。大ヒット作となったアルファロメオ・ジュリア系の派生モデルとして1969年のトリノ・ショーでデビューしたジュニアZは、アルミボディが与えられた、それまでのSZやTZといったザガート系アルファロメオとは異なり、レースに参戦しないロードカーとして設計されました。そのため、車体はスチール製でした。ちなみに、ザガートがデザインした個性的なアルファロメオは、その後、1989年デビューのアルファロメオSZ(ES30型)が登場するまでリリースされませんでした。

いま思うと完全に若気の至りなのですが、高校2年生のときに紙粘土でジュニアZのプロポーションを模したモノを自作してしまいました。近所のホームセンターで針金をたくさん買ってきて、ジュニアZの形っぽくフレームを組み、そこにペタペタと紙粘土をくっつけていったのです。自分では、なかなか上手く作れたと、いまでも思っています。

高校2年生のときは、すでに友人たちと原付バイクでツーリングに行ったりしながら自宅でバイクいじりを楽しんでいたので、さまざまな工具が揃っていて、針金を曲げたりすることが容易だったんですね。物持ちがいいので、高校2年生のときに紙粘土で作ったジュニアZをいまでも自宅で保管しており、大切にしています。

高校を卒業し、大学生になってからもジュニアZへの想いが消えることはなく、ずっと憧れ続けていました。ですが、18歳で普通自動車の第一種運転免許を取り、クルマを運転できるようになったものの、いきなり稀少かつ高価なアルファロメオを買えるだけの軍資金が手元にあるはずもなかったので、まず、中古の日産マーチ・ターボを買って、それにしばらくのあいだ乗っていました。

ということで、ジュニアZに憧れ続け、初志貫徹で最寄りのアルファロメオ専門店にジュニアZを買いに行ったのですが、売り物を見せてもらっているときに専門店の社長さんから「ジュニアZは維持するのが大変なので、人生初のヒストリックカーとしてジュニアZを買うのはやめておいたほうがいいかもしれないよ。まずは維持しやすい普通のクーペモデルを買って、それに慣れてからジュニアZにしたほうがいいでしょう」と優しく諭されたこともあり、その言葉を信じて1974年式アルファロメオGT1600ジュニアを買うことにしたわけです。

あれから23年。購入時に18万kmだった走行距離が、もうすぐ30万kmになります。取材で、いろんなところへ行かせていただきました。このコロナ禍の影響で、ここ最近は遠方のイベント取材ができていませんが、これから徐々に復活させていきたいと思っています。がんばって、走り続けます。