ジェントルマンドライバー暑さと戦うの巻💦前編

2020.07.29

サーキット走行では、パワーロスや機械への負担を避けるためエアコンは切って走る。窓も安全性のため閉めて走るので夏場はかなり暑い。ジェントルマンレーサにとって、この暑さ対策が大事だ

本格的なレーシングカーだと、室温が60~70度くらい。フェラーリF40GTで出場した真夏の鈴鹿1000キロレースでは、アクセルペダルを踏んでいる右足裏をやけどした。もちろん靴は履いていた。もっとも暑かったマシンはマツダ787などのグループCカーで、狭いクローズドのコックピットは温室みたいで、クールスーツ(電動ポンプで冷水を循環させるベストを着る)なしでは夏場の耐久レースは持ちこたえられない。体が熱くなって脱水症状になると。頭がぼーっとしてきて、「運転なんかどうでもいい」となってしまうのだ。そこでドライバー自身も、暑さに耐えるように、真夏にサウナスーツ着てランニングしたり、暖房を入れて室内バイクを漕いだりして、体質改善に努めていた。

だから、基本的には僕は一般人よりも暑さに強いはずなのだが…。

今年になって、マツダロードスターのパーティレース用のクルマを借してもらったので、スポーツ走行に行ってみたところ、サーキットでパーティレースに参加しているUさんと知り合った。そして昨年はポールをとっているトップクラスの人と一緒につるんで走るようになった。

夏場になってきて運転しているときは集中しているからそれほど体がきつくなっていることがわからないのだが、20分くらい走って車から降りたとたん、心臓がばこばこして、死ぬんじゃないかって思うほどだ。ヘルメットを脱ぐのも力がなく、脱いだとたん床に両手両ひざをついてぜーぜーはーはー。ところがUさんはケロッとしている。年齢差10歳、俺の体力はこんなに弱くなっているのかと愕然とした。こんな状態でロータスのレースなんかできない。

かなり暑さには強い方であるはずなのだが、60を過ぎて自分でも気づかないうちに、暑さにかなり弱くなっていたことがわかった。そもそも体の半分が熱傷で汗をかかないことも一因だろうが、何とかしなければならない。

つづく~。