スカイライン プロパイロット2.0に乗ってみた! ~太田哲也ブログ「ジェントルマンレーサーのすゝめ」~

2020.02.18

安全デバイスの良し悪しって、テストコースだとよくわからないんだよね。意識が集中するから。でも日常的に乗るとかなりいろんな不具合が見えてくるんだ。

 スカイラインのプロパイロットを運転した人はいるかな? どんな感じだと思いますか?

 僕の場合、まず高速でハンドルから手を離して膝の上に下すと眠くなる。寝るときに手を挙げる人はいないわけで。目をつむるとプロパイロットに注意喚起されるので、寝たりはしないのだけど、意識がぼーっとしてくる。ウインドウスクリーン越しにもちろん景色は見ていているのだけど、ただ見ている。

 高速道路を走っていたら前方に発煙筒が落ちていたとする。普通ならハンドルを切ってすっとよけるよね。ところが作動中は「ああ落ちているなあ」という感覚で、漠然とプロパイロットどうするんだろうなと思っていたら、通り過ぎていた。驚いたのはプロパイロットが避けなかったことではなく、自分が反応しなかったこと。意識がぼーっとしてくるんだね。目は開いているけど、見てはいるけど見ていない。

 もともと人間の脳は目の前にある映像から自分に必要な情報だけを取る。つまり漠然と見ていて必要性のあることしか見ていない。

 プロパイロットで運転してもらっていると、確かに楽だが、その楽さに甘んじて、運転に関心がなくなってくる。見ているようで見ていない状態があるということを知っている必要がある。車線の合流などではプロパイロットが運転をやめてしまうから、そのとき運転者にバトンが突然渡されることとなる。ちょっとあわてるね。

 日常的に長期間運転してみてわかったことは、プロパイロットは非常によくできていて、楽だし、面白い。

 でも安全に寄与するかと言ったら、運転者次第かな。運転に不慣れな人にとっては、難しいのでは。急にバトンを渡されてすぐに覚醒できるか。技術の進歩は大切だが、新技術で気をつけなければならないのは、人間とのインターフェースのこと。

 結局いくら安全装置を作っても人間の意識が落ちていけば安全は確保できない。ここが完全自動操縦に向かう途中段階での難しさだろうと思うのだ。

(所長:太田哲也)