首都高でアルピーヌA110がとまってしまった!

2022.11.04

9月10日土曜日夕方17時頃、首都高速6号三郷線で、運転していたアルピーヌA110が突然、ブスブスブスという感じで勝手に減速をはじめた。

左車線を走っていたこともあって何とか道路の左側に寄せることができたものの、路側帯はほとんどなく、走行車線にハミ出した状態でハザードをたいて停車した。

一瞬、パニックになった。どうしよう?三角表示板どこにあったかな、でも降りられるかな……。
車線が狭くなった状態で後続車はギリギリを通過していく。そのたびに風圧で車が揺れる。とてもドアを開けられそうにない。深呼吸して何をすべきか考えた。

止まり方からすると燃料系トラブルっぽい。ガソリン残量はあるが、普段は確か、燃料マークは白表示のはずだが、今は黄色表示になっている。まず首都高のパトロール隊に電話しようと思ったが番号が分からない。じゃあJAFだ。電話したら「現在位置を教えてほしい」と。車載のナビで確認したら、上り車線走行中のはずなのに、下りに向かっている表示となっている。ナビがおかしくなったのか。そうだスマホで確認してみよう。ところが下道にいることになっていて、インターの位置が表示されない。どうなっているんだッ、こんなときに限って。よく考えてみたら、高速道路で時速0km/hのはずがないから、ナビも混乱しているのかも。

JAFが連絡を取ってくれて、高速パトロール隊と電話で話す。
パトロール隊「カメラで見ています。いま引っ越しのトラックが脇を通過しましたか?」
太田「ええと、はい、通過しました!」
「わかりました、黒いクルマですね。そこは加平入口出口付近です」と、現在位置を特定してもらえた。

パトロール隊「到着するまでの間は、絶対に外に出ないで下さい。頭をシートに押し付け、足を突っ張り、シートベルトをきつく締めて待機してください」
「はい…」改めて緊張が走る。

その後、JAFや保険会社やロードサービス、自分の会社など各方面に連絡する。あとは後続車に「追突しないでね」と祈るしかない。

小一時間でパトロール隊が到着し、車線を規制してくれて、その段階で少し安心することができた。
パトロール隊員から、積載車が着く前にクルマを安全な場所まで牽引しようと言われた。その日は蒸し暑くて他にもトラブル車両が多く積載車がいつ来られるか分からない状況なのだという。自分としても、渋滞の原因になりたくない。

ところが牽引方法が分からない。A110は通常のオートマではなくセミオートマで、「P」ボタンがない。また電子ブレーキもエンジンもかかっていない状況でどうやって解除できるのだろうかと悩む。

ルノー・ジャポンの担当者に電話してみたがやり方は分からず、「アルピーヌ・レスキュー」も同様。どうしようか。すると自分の会社から電話がかかってきて、付き合いのあるルノー所沢と連絡が取れたという。

電話でやり方をおしえてもらう。カードキーをスロットに挿してエンジン停止状態のままでもNボタンを押せば、ニュートラルになるそうだ。電子サイドブレーキも同じようにすれば解除できて車を動かせる状態となる。牽引フックは救急セットの中に入っていることも、ルノー所沢さんが、親切にも駐車場の実車を見に行って確認してきてくれて教えてくれた。

牽引フックの取り付けはバンパーをよくみると小さな切欠きがあって、そこにマイナスドライバーの先でこじれば蓋が取れるそうだ。責任上、パトロール隊は作業ができないそうで、暗くて揺れる道路上で電話をかけながら自分で作業をやる。牽引フック取り付けまでできたときは、隊員たちが「できましたね!」と喜んでくれた。

牽引してもらい、加平入口まで行き、スペースのあるところで止めて、ようやくほっとすることができた。親切にも隊員さんは一緒にJAFの積載車を待ってくれるらしい。渋滞の原因を自分が作ってしまったことを詫びたら、隊員さんは「いいんですよ、故障は仕方ないですから」とねぎらってくれた。
以前に、高速道路のパトロール隊員たちに安全運転の講義とドライビングレッスンを行ったことがあるが、こんなカタチでお世話になるとは思ってもみなかった。とても親切で心底ありがたいと思った。

ほどなくしてJAFの積載車が到着。助手席に載せてもらい、パトロール隊に手を振って帰ってくることができた。
ちなみにロードサービスは、JAF以外にも保険会社やアルピーヌ・レスキューなどいろいろあるが、JAF以外は積載車に同乗できない。自分だけ現場に残されても困ってしまうよな。

それにしても現代のクルマは、何かトラブルがあるとすぐにチェックランプが点灯し、不動となるケースが多い。昔のようにだましだまし帰ってくるということができなくなっている。クルマへのダメージは避けられるが、予想外のところで止まってしまうと、今回のように危険なことになりがちだ。

ちなみに故障の原因は思った通り燃料系で、燃料ポンプの設計ミスらしい。偶然にも同じ日に同様のトラブルで止まってしまったアルピーヌもあったようだった。後日、対策品と交換してもらった。

最後になるが、9月10日土曜日夕方18時頃、首都高速6号三郷線上り東京方面で渋滞に巻き込まれたドライバーさんへ。その渋滞の原因は私です。本当にごめんなさい。