「2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのゆくえ 」輸入車編

2021.11.28

BMW 4シリーズ(クーペ/カブリオレ/グラン クーペ/M4クーペ) M4クーペの完成度は高く、文句のつけようがない。けどとにかく値段が高い。それ以外の4ドアのモデルはあまり新鮮味がないけど、でも大口径のグリルのデザインは個人的にはマル。チャレンジングな感じがする。

シボレー コルベットといえばFRレイアウト、マッチョなアメリカン・スポーツカーの代名詞だが、今回はミドシップ・レイアウトに変えてきた。これがコルベット? まるでフェラーリのようなフォルムに様変わりした。500PSのハイパワー、ミドシップにしたことで後輪のトラクション性能が上がり、安定性が増している。何よりも特筆すべきは日常ユースで、居住性、乗降性、乗り心地がよいこと。通勤に使える!

メルセデス・ベンツ Cクラスには文句のつけようがない。でも、650万円~は高い。というかサイズ的にも上級さもCクラスを超えている。Cはメルセデス・ベンツのコンパクトセダンだった印象だが、もはや堂々たる上級クラスだ。

乗り味に関して、昔のメルセデス・ベンツは足が硬く、絶対的な操縦安定性を誇っていたが、いまや足がやわらかくラグジュアリーなクルマとなった。以前のメルセデス・ベンツは頑固職人的だったが、ユーザーにやさしくなった。

その一方で、こういう高級車でもエンジンのサウンドを楽しめるようになっていて、そこは共感できる。

フォルクスワーゲン ゴルフ/ゴルフ ヴァリアントは、常にこのクラスのベンチマークだ。いわゆる実用車となると、年々進化させる余地がなくなってくるのが通例だ。例えば、支那そばと謳ってしまうと、さまざまな具や麺やスープを組み合わせるところから逸脱することができない。つまり他との差別化が難しくなる。けれどもゴルフは、「もうマージンはないだろう」と思っても、毎回、よくなるからスゴイと思う。それはフォルクスワーゲンの考え方がスゴイからだ。

日本のメーカーだと、新技術や高級機能は高級車専用とかにしがちだが、フォルクスワーゲンはそうした高価な装備をゴルフに投入する。大量に作って部品単価を下げる狙いなのだ。ボディの造り方も高級車と同じようにする。極端に言えば、ポルシェやアウディで儲けて、ゴルフはさほど儲けない。つまりゴルフは常にバーゲンプライスだ。人からクルマを一台だけ選ぶなら何がいい?と質問されたら、ゴルフと答えている。

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