事故防止の実現には、機器より人の意識向上が大切です。(所員:吉井弘治)

2019.10.03

 私が講師の一人を務めている株式会社スポーツドライビングジャパンの「V&V安全運転推進研修・コンサルティング」が、本年度の「国土交通省事故防止対策支援推進事業」の「コンサルティングニュー」に認定されました。
 近年、特に高齢ドライバーの事故防止は、わが国における喫緊の課題となっていますが、それに対する国や自治体の助成は、ブレーキ、アクセルの「踏み間違い防止」やドライブレコーダーの取り付け等、機器の購入に対するものが主流となっているようです。
 しかし、本当にそれで事故がなくなるでしょうか?
 私は、安全運転の推進(事故防止)には、本来、機器による解決以前に、人の意識の向上が不可欠だと考えています。
今、自動運転化が急速に進んでいますが、それでも当面の間は「部分自動運転」か、「条件付き自動運転」がせいぜいで、完全自動運転までには、まだしばらく時間がかかります。
 一方で、運転が楽になればなるほど、ドライバーの意識低下による「漫然運転」が増加するのは確実です。これは着実に増えるでしょう。そうなれば、これまで私たちが想定していないような事故が発生する可能性があります。先の東日本大震災による原発事故や最近頻発する自然災害の想定外の規模による混乱等、後から「想定外だったので対応できなかった」という事例が年々増えています。
 自動化による想定外と言えば、産業界にも似たような事例があります。たとえば、オペレーションが自動化されたチェーン店等で、アルバイト店員がSNSに不適切動画を投稿する問題等がありますが、これも同じ構造ではないかと思います。
 さらに、それ(運転時の事故により加害者になってしまった等)をやってしまったのが企業の社員だった場合はどうでしょうか? 
実際、不適切動画の例では、企業が受けるダメージや代償は大変大きなものでした。自動車の運転の場合も同じです。自動運転の時代だからこそドライバーの意識を高めること、企業は日頃から社員の意識向上に取り組むことが必要だと思います。

文:吉井弘治(所員)