今シーズン2戦目のアルチャレに参戦してきた!(後編)

2022.06.16

●軸足は公道での快適性に
 本来、サーキットで速さを狙うなら、バネをドーンと固くしてしまえばいい。だが、あくまでもクルマづくりのコンセプトとして、公道での快適さも大事にしたい。そのため、街乗り快適性を出発点として、少しずつレートを上げていく方針だ。軸足を街乗り仕様に置きつつ、どこまでサーキットでの性能を高められるか。そんな考えで今後もチャレンジしていくつもりだ。

さて、この次はバネレートを上げるか、あるいはスタビライザーを強化するか。スタビなら、直線での乗り心地はさほど悪化しないから、それもありかと考えている。

●操作性向上でタイムアップ!?
 今回、ステアリングを手前にセットし、それにともないシートを後方にスライドさせることができたので、余裕のなかった足元スペース拡張することができた。ペダルを戻すとき膝が当たらなくなり、アクセルペダルの延長ステーも長めにしたので、ペダル操作が抜群によくなった。

 さらにシートベルトを4点式から6点式(TEZZOオリジナルのFIA仕様)に変更。こうした操作性の改善は安全性向上とともに走行タイムにも好影響があるはずだ。

●ライバルと比べる。意外と速い
 レースに参加した同じ排気量でノーマルタービンの車両と比較すると、同等以上のタイムが出せていた。さらにミトRクラスというタービンを大型化したり触媒を変更するなどしてサーキット仕様とした車両を駆って、腕自慢の猛者たちが激しいバトルを展開するクラスがある。そのクラスのトップグループとラップタイムを比較してみても、わずか1~2秒落ちで、最高速もこちらはノーマルエンジン+純正触媒だが、数km/h程度しか差がなく、思った以上に速いことがわかった。

 今後のエンジン・チューニングの方向性をどうするか。タービンを変えれば速くなるが、壊れるリスクも増加する。なので自主規制として安全性を担保したうえで速さも追求していくつもりだ。そういう意味ではインタークーラーの大型化を視野に入れている。

●595は面白い ぜひサーキットへ
 改めて、アバルト 595はオモシロイな、と思う。ホーイルーベースが短く良い意味でじゃじゃ馬。昔のFF車のように適度にコーナーでオットットとなり、それをコントロールする面白さもある。LSDを入れてるのでアクセルオンでグイグイ曲がってくれる。それも気持ちがいい。

 さらに同じエンジンを積んでいるミトなどをライバル車と捉え、一緒に走って比較できる点もうれしい。今後またチームに595のユーザーが増える予定なので、一緒に走る仲間たちと楽しくなりそうだ。
 595に乗っていてまだサーキットを走っていないユーザーの人がいたら、ぜひサーキットも楽しんでもらいたい。