またしてもサーキット試乗!今度はスバルWRX S4を袖ヶ浦で!

2022.02.23

スバルの新型WRX S4に袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗してきた。路面はウェット、ドライブモードはS♯、ESCはカットした。

走らせてみると、強い加速が印象的。新型は、前後の重心を前下がりにしている。前後の重量配分を変えることで、回頭性を向上させているわけだ。

電子制御ダンパー装着車は、減衰力を高めに変化させるようになっており、非装着車と比較するとコーナーでの安定感があり、ロールに対する抑制効果が大きい。このクルマはサーキットに向いていると思った。

多少のオーバースピードでコーナーに入って行ってもアンダーステアが抑えられ、また感覚的にココでハンドルを切ったらアンダーステアが出るな、と思える状態でもハンドルを切るとさらに待って曲がってくれる。現行型よりもさらに回頭性が高まり、より楽に楽しく運転できる。なんだか笑みがこぼれてしまうほど、よく曲がるクルマだ。

これまでドライバーがやっていた動作をクルマがやってくれる感じで、もはや荷重移動を考える必要が無いのでは?とさえ思えてしまう。滑りやすい雨の袖ヶ浦フォレストレースウェイであっても、ナーバスな挙動変化をすることはなく、滑り始める、その動きが止まる、というクルマの動きに連続性があるので、落ち着いて走れる。

滑りやすい路面でドリフト走行をしていても恐怖感がなく走れた。一般道も含めてこれは多くのドライバーにとってメリットとなるはずだ。雨の日はサーキットを走りたくない、という人が少なくないけれど、新型WRX S4なら雨でも憂鬱になることがないだろう。

例えば袖ヶ浦フォレストレースウェイは普通のサーキットよりも路面が一般道に近く、ド~ンと滑りがちなんだけど、新型WRX S4であれば平気だ。

面白い試みとして、ディンプル処理をフロントスポイラーやオーバーフェンダーやサイドシルなどのパーツに施すことで、空気の剥離を抑え、乱流を抑制する。これはパテントらしいが、アフターマーケットの世界でカッティングシートを貼ることが流行るかもしれない。

それにしてもつくづく、楽になったなあと思う。かつて自分が乗っていたレーシングカーはドライバーと対峙し格闘する感じだったけど、新型WRX S4はクルマと格闘するのではなく、開発者が組んだプログラムで自分の腕以上の走りができてしまう。

ただしぎりぎりまで乗りこなすとなると、エンジニアが組み込んだプログラムを解析する必要が出てくる。ここでハンドルを切ると曲がるな、あるいは、ここでカウンターステアをあてたいけど当てない方がいいな、とか、まるでゲーム攻略のような感覚だ。

本当はそのプログラムを見せてもらうと攻略が早いんだけど、そこはメーカーのトップシークレットなので、一回一回乗って、自分の脳内にあるマニュアルを書き換えていくしかないね。

 

〇スペック

SUBARU WRX S4

●全長×全幅×全高:4670mm×1825mm×1465mm
●ホイールベース:2675mm
●トレッド[前/後]:1560/1570mm
●車両重量:1590~1600kg
●エンジン形式:水平対向4気筒DOHC直噴ターボ“DIT”
●エンジン排気量:2387cc
●最高出力:202kW(275ps)/5600rpm
●最大トルク:375N・m(38.2kgf・m)/2000~4800rpm
●燃料供給装置:筒内直接燃料噴射装置
●使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
●燃料タンク容量:63L
●変速機:スバルパフォーマンストランスミッション(前進無段/後退1速)
●駆動方式:AWD(常時全輪駆動)

〇メーカー希望小売価格
4,004,000円(消費税込み)~