TOKYO AUTO SALON 2022

2022.02.17

幕張メッセを会場として、2022年1月14日~16日までの日程で2年ぶりに開催されたTOKYO AUTO SALON 2022に行ってきた。

トレンドは、国内外の旧車を題材に、これをレストアするなどしてオリジナルに忠実に戻すのではなく、ガシガシいじってしまっていたことだ。これはオモシロイと思った。

国産旧車のほうでは、ハコスカのボディをカーボンで造り直してしまったり、新しい機能パーツを組み込んでいたりする。なかでもスゴイと思ったのがBANZAI SPORT JAPANのハコスカ 4ローターキャブレターだ。

クルマ好きの間でハコスカという愛称にて親しまれている3代目スカイラインのセダン2000GTのボディに、650psを発生するビレットロータリー社製RE26B 4ローターユニットを搭載してしまっていた。ペリフェラルポートで、ウェーバーのキャブレターはダウンドラフト仕様だった。

輸入車の旧いモデルで驚いたのは、RE雨宮の「IMS Ferrari and RE雨宮」である。ベースがフェラーリ・テスタロッサとのことだが、ルーフとドアと内装がオリジナルをキープしているのみで、その他の部分はほとんど造り変えられていた。エンジンルームには180度V型12気筒エンジンではなく、13Bベースの4ローター・ターボを搭載。フェラーリをリスペクトする気がまったくない点が潔いというか。ビックリした。

 

東京自動車大学校のBM★ロードスターも発想が面白い。BMW好きの学生が、E46型BMWのオープンカーに乗りたくてマツダ・ロードスター(NB型)をベースに顔面スワップを実行してしまったそうだ。

旧車をオリジナルに戻すパーツと共にモディファイするためのパーツが売られていたり、HKSがエンジン単体を売っていたりするので、これまで以上に自由な発想でクルマをカスタムできる土壌ができてきた。サニトラ・ベースのクルマもなぜかレース風で、旧車は、こうじゃないといけない!という暗黙のルールのようなものが無くなった気がする。

これからは、旧車をEV化することも増えてくるかもしれない。みんな、旧車のデザインが好きなんだろうね。 

その昔、ヨーロッパの富裕層の中に移動のためだけではなく、楽しむために自動車を所有したいと考える人が増えてきて、そのニーズに応えたのがカロッツェリアで、量産車をベースにボディの形状を変え、性能や機能を高めた「フォリ・セリエ」を提供した。価格はベースカーの2倍程度。つまり、改造費として車両価格と同じくらいをかけたのだった。

僕自身、同じことをしたくて「TEZZO」を始めたが、なかなかそこまでやるユーザーがいなかった。でも最近の傾向を見ていると、日本でもあり得る気がする。

具体的にはフェラーリのFRモデルである456、550、575あたりをベースにしてもオモシロイのかもしれないなあ。

続いて、新しいクルマの話をしよう。こちらも自由な発想でカスタムされていた。アルピーヌA110も純正らしさ、というよりは後付け感満点のリアウイングを取り付けていた。

カスタムカーではないけど、ロータス・エミーラも展示されていた。思っていたよりも大きくなくてよかった。完全新設計のアルミ製プラットフォームをベースに開発された新型のミッドシップ・スポーツカーで、展示されたのはエミーラV6ファーストエディション。ミッドに搭載される排気量3.5リッターのDOHCV型6気筒VVTIスーパーチャージドエンジンは最高出力405psを発生。トランスミッションはスポーツレシオ6速ミッションを採用し、オプションでパドルシフト付きオートマチックも選べるという。この時代に内燃機のスポーツカーがデビューするのはイイ話だと思う。

TOKYO AUTO SALON 2022において初披露されたスバルの電気自動車「STI E-RAコンセプト」は、システム最高出力1088psという大パワーを独自の4モーター/4輪トルクベクタリング技術で制御する。モーターは、ヤマハ発動機から供給されるインバーター一体式大トルク高回転タイプとハイパーEV向けギアを採用し、蓄電量60kWhのリチウムイオンバッテリーで駆動するそうだ。2023年以降、ニュルブルクリンク・サーキットでのタイムアタックで、6分40秒というラップタイムに挑戦することを最初の目標としているらしい。

今回のオートサロンは、さまざまな方向性が提示された面白いイベントだった。