ミッドシップのコルベットって、どうなの?(第2回)

2022.01.19

◆サーキットでの走り 

新型コルベットをサーキットで走らせてみたら、大出力な割に意外なほど扱いやすかった。最近のミッドエンジン・スポーツカーはターボやハイブリットを付けたりしているが、コルベットは、いまだにNAエンジンなので、低回転からスムーズにパワーがよどみなく盛り上がっていく。むしろ繊細なのだ。ちなみに、最高出力は502ps、最大トルクは65.0kg-mを誇る。

また、ミドシップへの変更が成功したことも感じられた。というのも、最近の大出力化の下で、FRレイアウトのクルマだと、後輪の荷重が少なくトラクション性能が上げられないので、大パワーを持て余してしまいがちだ。アクセルを開けるとすぐにパワースライドしてしまうことになる。そのため電子制御でパワーを抑える。つまりせっかくのパワーを使いきれないようになっている。

しかしコルベットはミッドシップなのでリアに荷重がかかり、後輪のグリップ力があがっている。そのためコーナーの立ち上がりで、横にスライドしてしまわず、前へ前へとクルマを進めてくれるのだ。だから前提として扱いやすいのだ。

アクセルを踏みすぎて電子制御が介入してくるときも、穏やかな入り方で、本当に危ないときだけアシストしてくれる。これもよかった。

◆ミッドシップはジャジャ馬だという誤解

一般的にミッドシップはジャジャ馬だと思われがちだが、ハイパワーなFRレイアウトのクルマと比較するとミッドシップの方が安定していて、安心してアクセルを踏むことができる。

コルベットに乗ってみて、おそらく、このクルマはル・マンなどのスポーツカーレースに出ることを堰堤につくりこんだのだということを実感できた。

じゃぁ公道ではどうなのか。それは次の回で。

~第3回につづく~