「2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのゆくえ 」国産車編

2021.11.26

2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを決定する前に、「10ベストカー試乗会」が11月24日(水)に袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。それぞれのクルマに試乗はしてはいるものの、点数を付けるにあたってノミネート全車に同時に試乗ができるのはありがたい。

これからのスケジュールは各選考委員が最終の配点/採点をおこない、今年の1台が決定する。最終選考会/表彰式は12月10日(金)の予定だ。

今年の10ベストカーは、全29台のノミネート車の中から、自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる選考委員によって選出され、11月5日(金)に発表された。時代の話題はEV・自動操縦に集中している印象だが、選考委員がそこに限定せず、スポーツカーや既存のハイブリッド車、エンジン搭載車、そして、ハッチバックやセダンやSUVといった多種多様なクルマに票を投じたのが印象的だった。僕としてもすぐに全部のクルマがEVに代わるものではないと思っている。エネルギーやカーボンニュートラルなど諸問題の対応に「多様性」を残すことが大切だと考えているのだ。

まずは、GR86/SUBARU BRZ。これまでよりもワイド&ローフォルムになり、排気量もアップして、より楽しさが増した。スポーツカーを作り続けるのは経営上大変なことだが、二代目の登場はスポーツカー好きにとってうれしく、そしてありがたい。

次に、トヨタ MIRAIは水素で走るクルマだが、航続距離が延び、近所に水素スタンドがあるユーザーにとっては選択肢としてありだと思う。クルマとしては、ボディサイズがより大きくなり、車重もさらに増えて、堂々たる高級車となった。乗り心地も高級なフィーリングで、まるで大きな客船に乗っているかのように安楽。

自動運転はレベル2相当だが、高速道路ではステアリングホイールから手を放し、ハンズオフ走行も可能となる。特筆すべきはナビで行き先を指定すると、いろいろとアナウンスしながらウインカーを出したり自動で車線変更をしたりし目的地に向かう機能も付く。高度運転支援技術システムがこちらの目の動きまで見ていて、注意を促す。

新鮮でありとても興味深いし、楽はできるけど、ただ実際に運転してみると、咄嗟の割り込み時などにシステムが対応しない場合が多々ある。そうしたときは「バトン」が戻って来る。だったら最初から自分で運転しとくは、という気持ちになることもある。完全自動が完成するのは、まだまだ先のことだと実感する。

トヨタ ランドクルーザー。ランクルは本格的オフローダーだが、街中で見ると、ボディが大きくて四角くて、まるでゲンコツが走っているような威風堂堂感がある。そして乗り込むと立派な高級車だ。本格的な四駆システムを装備していてメカ好きにはたまらない。でも、都心では必要ないなと思う。

日産 ノート/ノート オーラ/ノート オーラ NISMO/ノート AUTECH CROSSOVERは、ノート オーラをベースにワンランク上の小さな高級車を目指したのがオーラだ。Eパワーで力もあり、こういうのもアリだなと思った。今まで大きなクルマに乗っている人が愛車をダウンサイジングするときに、ボディサイズは小さくしても車格は落としたくないという人にオススメの一台だ。

ホンダ ヴェゼル ホンダに四駆のイメージが薄いが、実はかなり頑張っているんだよね。四駆を安全性向上に使っていることが以前にテストコースで確認済み。見た目は大きく見えて、実は意外とコンパクトで、デザインの力を感じる。普通にいいクルマ。サイズ的にも良い。

三菱 アウトランダーPHEVは、太田哲也のGo Goスポーツカーというサイトで3回にわたって紹介したが、SUVなのに走りがいい。ランエボ(三菱ランサーエボリューション)と基本的に同じ駆動力左右配分システムを搭載していて、サーキットを走ると、よく曲がってオモシロイ。良く曲がることは一般道でも安全につながるという信念で作られている。僕もそう思う。

~輸入車編へつづく~