フォルクスワーゲン ポロ GTIは新世代のスポーツカー(所員:高桑秀典)

2019.04.04

フォルクスワーゲンが40年以上にわたって造り続けてきたスポーティグレードの『GTI』は、現在、ゴルフ GTI、ポロ GTI、up! GTIの3モデルで構成されています。以前、太田哲也所長が袖ヶ浦フォレストレースウェイでゴルフGTIにブリヂストン POTENZA RE-71Rを装着してテスト走行を行った記事をアップしましたが、今回は太田所長による「ポロ GTI サーキットインプレッション」をお伝えします。

両モデルとも2.0ℓ TSI 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジンを搭載していますが、最高出力が異なっており、ゴルフ GTIは230ps、ポロ GTIは200psとなっています。参考までに全長、ホイールベース、車重も記すと、ゴルフ GTIは全長:4275mm/ホイールベース:2635mm/車重:1380kg、ポロ GTIは全長:4075mm/ホイールベース:2550mm/車重:1290kgというスペックとなります。トランスミッションは、両モデルとも切れ目のない加速を実現する6速DSGです。

ポロ GTIはコンパクトな軽量ボディに、クラストップレベルの最高出力200ps、最大トルク320Nmを発生するハイパワーユニットを積んでいるのですから、日常的な使い勝手の面ではゴルフ GTIに迫る、いや、もしかしたら勝るシチュエーションすらあるといえます。サーキット走行においてもポロ GTIのパフォーマンスは非常に優れたもので、ゴルフ GTIと比較しても遜色ない動力性能であることが今回のサーキット走行によって確認できました。

太田所長がポロ GTIで袖ヶ浦フォレストレースウェイを走ったときにはエコの要素がある純正タイヤを履いていましたが、それでも以前に走ったブリヂストン POTENZA RE-71Rを装着したゴルフ GTIに肉薄する1分21秒台をマークできました。タイヤの性能差を考えると、ポロ GTIは袖ヶ浦フォレストレースウェイにおいてはゴルフ GTIと同等もしくは同等以上の動力性能の持ち主であるといえるでしょう。富士スピードウェイなどの高速コースでは、また話が違ってくると思います。

それでいて、ポロ GTIは一般道でも乗り心地がよく、街中を快適に走れます。フォルクスワーゲンの特別なグレードであるGTI=ハードなスポーツモデルであるとイメージしがちですが、実はそんなことはないのです。

車格が大きいゴルフ GTI譲りの乗り心地のよさを誇りながら、ボディ剛性が高いことによる恩恵で路面からのインフォメーションがしっかりあり、なおかつサスペンションの動きを的確に感じられるので、どんな場面でも安心して走ることができます。

ボディ剛性が高いことはタイヤのグリップのよさにつながり、それが挙動が変化しないというアドバンテージポイントとなって表れ、FFなのでアンダーステアになりそうなシーンでもハンドルを切ることで曲がっていけるという洗練された走りへと昇華するわけです。

よく曲がるけれども、だからといってオーバーステアになることもない、という走りの特性から判断して、ポロ GTIは安全に速く走れる新世代のスポーツカーだといえます。セオリーどおりに走らせるとトリッキーなところがなく、安心して速く走らせることができます。

ただし、標準のパッドでサーキットを連続走行すると、さすがに温度が上がってしまい、フェード気味になります。ポロ GTIでサーキット走行を楽しむ際は、事前にスポーツパッドに交換しておくといいでしょう。