新型GR86/スバルBRZを試乗してみた!「パーツの違い編」

2021.10.29

☆パーツの違い編

GR86とスバルBRZの、実際のパーツの違いについても記そう。エンジン特性は同じだが、足まわりではバネレートが異なる。GR86はスバルBRZよりもフロントが柔らかく、リアを硬くしたバランスで、よく曲がるようにしている。

今回、スバルBRZはフロントハウジングをアルミ製とし、フロントスタビライザーを中空、リアスタビライザー取付け構造をボディ直付けにした。そして、リアトレーリングアームブッシュの硬度をアップした。さらにスロットルコントローラーの効果を高めてあるので、アクセルを少し踏んだだけでもクルマがスッと前に出るようになっている。かなり手を入れた好印象だ。

一方、GR86は、フロントハウジングを鋳鉄製とし、フロントスタビライザーを中実に、リアスタビライザー取付け構造はブラケットを介したものにしている。リアトレーリングアームブッシュは従来型だ。スペックを見ると「なんだ…」と思ってしまうが、トヨタの技術者の説明によると、素材を実際に比べてみたら、路面をつかんでいる感じが出てリニア感がアップしたので、そのようなマテリアルをチョイスしたとのこと。ドライバーの感じ方を重視して、鋳鉄、中実、ブラケットは従来型を採用したらしい。

つまり、トヨタは面白さやレスポンス、フィーリングの部分を重視して、スバルは一般道を含めた安全性や性能をアップすることを求めたようだ。

ところで、スポーツカーを造り続けるビジネスは大変だ。マツダが長年ロードスターを造り続けてくれている。気持ちだけではなくやはり採算が合わないと困難になる。普通のクルマ以上に努力が必要だ。マツダの技術者から、そのような観点を教えていただいたとトヨタの人が言っていた。SUV主流で、時代が自動運転車に進んでいく中で、ドライブするのが楽しいスポーツカーが新しくリリースされることは、ありがたく嬉しいことでもある。

 

~次回「ユーザーの想い編」につづく

 

〇スペック

GR86/スバルBRZ

●全長×全幅×全高:4265mm×1775mm×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1260~1290kg
●最小回転半径:5.4m
●総排気量:2387cc
●エンジン形式:水平対向4気筒筒内直接+ポート燃料噴射装置〈TOYOTA D-4S〉/水平対向4気筒DOHC 16バルブ デュアルAVCS(BRZ)
●最高出力:235ps(173kW)/7000rpm
●最大トルク:25.5kgm(250Nm)/3700rpm
●トランスミッション:6MT/E-6AT
●サスペンション:マクファーソンストラット式(フロント)/ダブルウィッシュボーン式(リア)
●ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
●タイヤサイズ:215/45R17(BRZ)/前後215/40 R18(GR86/BRZ)
●燃費(WLTCモード):11.7~12.0km/ℓ(BRZ)

〇プライス

◆GR86
310万円~を予定/10月末発表予定
◆スバルBRZ
R:308万円(6MT)/324万5000円(E-6AT)
S:326万7000円(6MT)/343万2000円(E-6AT)

写真提供:株式会社SUBARU