スポーツカーでいこう! その1「スポーツカーとのつきあい方」

2021.09.03

スポーツカーはレーシングカーと似ているが、本質的には非なるモノだ。レーシングカーは速く走るためのクルマだが、スポーツカーは速さだけでなく運転そのものに楽しみを求める。だから単なるマシンではなく、ドライバーのパートナーであり、愛情を注ぐ対象でもある。言わば愛馬のような存在だと思っている。

もちろん、スポーツカーでサーキットを走ることもできるが、パートナーと楽しい時間を増やすには、日常生活の中で使えるといい。

だから僕は、普段でもスポーツカーと過ごしたいと考えている。週末にサーキットで過ごすスポーツカーとは別に、日常使いのクルマもスポーツカーを選んでいる。

僕が今、日常のパートナーとしているのは、フランスのスポーツカーのアルピーヌ A110だ。スポーツカーを日常的に使うって無理があるのでは?と思う人たちも少なからずいるだろう。もしそうならサスペンションが硬い上に車内が狭くては、日常使いには向かないように思えるからだろう。

でも現代のスポーツカーは、そんなに乗り心地が悪くない。むしろ僕にとっては、背の高いミニバンの方がぐらぐらして酔ってしまいがち。

もちろん、速さだけを求めて足はガチガチ、というスパルタン志向のスポーツカーも今なお健在だが、ここ最近は、乗り心地の良さと操縦安定性を高い次元でバランスさせた、より日常的に使用できるスポーツカーも増えてきて、それがトレンドにもなっている。

とは言え、実際にアルピーヌ A110は車内が狭く2人乗りのモデルだ。でも僕の場合は、子どもが成長した今は家族揃って移動する機会もなくなり、ほぼ独りでクルマを走らせているので問題ない。人によっては家族構成でミニバンに乗るしかない場合もあるだろうけど、子育てが終わったら今度は自分のためにクルマを選びたい。スポーツカーを愛用しつつ、どうしてもたくさんの人を乗せないといけないときは他のクルマを活用してもいい。駐車場事情が過酷な都会ではない限り、複数台所有がクルマ愛好者にとっての理想ではあるだろうね。僕自身は自分の欲しいクルマを手に入れるために仕事をしているから、複数所有をしたいと考えている。

狭い車内も、見方を変えれば、あつらえたスーツを着ているような一体感を味わえるとも言える。馬車ではなく、馬そのものに乗っている感覚かな。