「太田哲也的ボケ防止に有効なサーキット走行 」その3

2021.08.27

その日はエアコン問題もあって、タイムがイマイチだった。夏のサーキット走行は、ドライバーだけでなくクルマにもキツイのだ。水温が上がると、エンジンのパワーが落ちるのだ。もう少し良いタイムを出しておきたい。

そこで考えた。ヒーターを入れれば、室内に熱風が出る分だけエンジンが冷えるはず。3回目の走行ではヒーターを全開でONにしてみることにした。すると心なしかエンジンが冷えてパワーアップしたような気がした。

もちろん車内は暑いのだけど、走っているときは集中しているのであまり暑さを感じない。走行を終えてピットにも戻ってきて、グローブを外してエアコンの吹き出し口に手をかざしてみたら、驚くほどの熱風が出ていた。

ピットに戻ると稲垣メカが来ていて、彼に「ヒーターを焚いてみたんだ」と言ったら、「やめたほうがいいんじゃない。死んでもまずいから」と。

確かに。よく考えてみればヒーターを入れて走って身体の具合が悪くなって命を落としたりしたら、新聞で「高齢の元レーサー、エアコンとヒーターのスイッチを押し間違えて熱中症で死亡」なんてニュースになってしまうかもしれない。そうしたら恥ずかしいよね。

すると稲垣メカが「恥ずかしい、恥ずかしい、確かに恥ずかしい!」と。

まあ、ピットで皆んなで大笑いする話題を提供できたのは良かった。ヒーターはやめておこう。

ボケ防止は、暑さの中でも集中力を維持することも大事な要素だと実感した。